2021/12/26 17:18
製茶したあとに出る茶の茎や不揃いな茶葉を集めたものを「茶頭」という。
急なお客様のあった日に手もとに茶頭しかなく、茶請けの用意もなく困った。茶頭は私が楽しみにいただこうと友人の茶商から仕入れておいたもの。
されど茶頭!
鳳凰単叢の茶頭だからリッパにおいしい。さてこれにあわせるお茶請けが美味しければ申し訳もたつものを、在庫がそうあるものでもない。
思い出したのが八宝茶のこと。ドライフルーツや木の実などをブレンドしたお茶で、少しだけ季節が外れた緑茶などをベースに使う場合がある。素朴なお茶でも満足のゆくものにできる。
ドライフルーツのストック缶を開けてみた。運よく竜眼肉の燻製が残っていた。
芳醇な香りの鳳凰単叢に竜眼肉はとてもよくあう。見た目は今一つ真っ黒の竜眼だけれど、急なお客様を少しびっくりさせるには良い役者だ。丁寧に淹れた茶頭にこの真っ黒いやつをそえてだした。
日本では頻繁に供されるものでもない竜眼肉のこと、茶頭のこと、だしたお茶の素朴さ以上に話の弾む茶のひと時だった。